大阪地方裁判所 昭和43年(わ)2986号 判決 1969年1月22日
主文
被告人井藤を懲役一〇月及び罰金二〇万円に、同〓本を懲役八月及び罰金五万円に処する。
但し被告人両名に対し本裁判確定の日より三年間右懲役刑の執行を猶予する。
被告人両名において右罰金を完納することができないときは金一、〇〇〇円を一日に換算したる期間その被告人を労役場に留置する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人井藤はかねてから大阪市西成区山王町四丁目八番地の自宅において、料理店「二南海」を経営していたもの、同〓本は被告人井藤に帳場係として雇い入れられ爾来同店の営業全般を管掌していたものであるが、被告人両名は共謀の上、
一、別紙犯罪一覧表第一記載のとおり昭和四三年四月二〇日頃から同年八月一三日頃までの間前後五回に亘り、前記料理店「二南海」において売春婦笹山光子外四名の婦女を雇い入れるにさいし、夫々同女らの間に同女らをして同店に来る不特定多数の遊客を相手に対償を受けて性交をさせ、その対償を同女らと分配することを約束し、以て人に売春をさせることを内容とする契約をし、
二、別紙犯罪一覧表第二記載のとおり、同年五月中旬頃から同年九月三日までの間、前記売春婦笹山光子ほか四名の婦女が同店に来る不特定多数の遊客を相手に対償を受けて性交をするにさいし、その情を知りながら、同女らに同店客室を貸与して売春をさせ、その対償を同女らと分配取得し以て売春を行う場所を提供することを業とし
たものである。
(証拠の標目)(省略)
(法令の適用)
一の所為は各売春防止法一〇条一項(懲役刑選択)刑法六〇条
二の所為は全体として売春防止法一一条二項、刑法六〇条
右の各所為は刑法四五条前段の併合罪の関係にあるから懲役刑につき同法四七条、一〇条
懲役刑の執行猶予につき各刑法二五条一項一号
罰金刑の換刑処分につき同法一八条
別紙
犯罪一覧表第一
<省略>
<省略>
犯罪一覧表第二
<省略>